普段私たちが使うパソコンやスマホ、これらは0または1を最小単位としたデータを扱っています。なにをいきなり、当たり前なことを言うんだ?とお思いでしょう。でもですね、これには訳があります。実は、私たちが使っているのはコンピュータの一種に過ぎないのです。歴史的に様々なコンピュータが考案されてきました。その中でも仕組みが複雑極まるものがありました。それが「チューリングマシン」です。それがどんなコンピュータであり、どんな人が考案したのか、見ていきましょう。
チューリングマシンとは
チューリングマシンは、アラン・チューリングが「計算可能性」に関する議論のために提示した抽象機械です。計算可能性は、機械でどれだけ計算できるかということです。抽象機械とは、理論はあるけど機械としては実装されていないものです。
アランはチューリングマシンを論文という形で発表したのですが、実は同じころエミール・ポストという人が似たような論文を発表していました。エミールの論文の方が構想の動機が明確でしたが、肝心の抽象機械の内容の方でアランが勝っていました。こうしてこの抽象機械は、チューリングマシンとして歴史に名を刻みました。