執筆力を上げるためにできること

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デジタル化に伴い、文章でのやり取りが増えました。そんな状況下でみなさん、執筆力を上げたくなったのではないでしょうか?

ここでは執筆力を上げるメリットや方法などを解説します。仕事で成果を出したい人、ライターで活躍したい人、必見です。

執筆とは、文章を書くことです。今はライティングと呼ばれることの方が多いでしょう。ライティングは執筆より文字数があります。一回言うだけなら何ともありませんが、この記事では何度もこの言葉を出てきます。私はそれが煩わしく感じるので、敢えて「執筆」という言葉を使います。

今度は、執筆力を定義します。こちらは、ライティングスキルと呼ばれることが多いです。先と同じ理由で「執筆力」という言葉を使います。

執筆力とは、伝えたい内容を伝えたい人に伝える力です。その人に伝われば伝わるほど、執筆力が高いと言えます。

執筆力を上げれば、どんな場面でも役に立ちます。だから執筆力を上げる方法を解説します。しかしその前に、執筆力を上げるメリットにはどんなものがあるかを話します。

識字率が99%である日本では、ほとんどの人が自然と文章を書けます。しかしどうせなら、執筆力を今よりも上げたほうがいいです。

その先にどんないいことが待っているかを見ていきましょう。

まず、Webライターで活躍できます。

Webライターで代表的なものは、既存記事のリライトや取材記事制作、個人ブログの運営などです。

大抵は誰でも始められますが、実際にやってみるとそう簡単にはいきません。ほぼ文章だけで勝負することになるため、執筆力がある程度ないと厳しいでしょう。逆に執筆力が高ければ、有利になります。

執筆力を上げれば、ライターに限らずどんな仕事でも役に立ちます。仕事には、人とのやり取りがつきものです。伝えたい内容を伝えたい相手に文章を通して伝えることがちゃんとできれば、そのやり取りが円滑になります。

さらに仕事ではなくプライベートでも役に立ちます。例えば家族や知人とメールでやり取りする際に言葉の齟齬があると、関係がこじれる恐れがあります。まあ一回程度なら問題ないでしょうが、それが積もりに積もれば危うくなります。執筆力を上げれば、家族や知人と良好な関係を築けます。

いよいよ執筆力を上げる方法を話すわけですが、まず前提として話したいことがあります。それは書く対象に興味を持つということです。興味を持てば疑問や仮説が浮かびます。それがさらなる調べ、そして執筆につながります。そうして出来た文章は深いものとなります。言い換えると、地に足のついた文章となります。

フランスの哲学者ロラン・バルトは物語について、「無数にある文化の中心からやってきた引用の織物である」と述べました。情報は語り継がれる中で、形を変えるのです。インターネットでは幾度となく引用が行われているため、形が変わりまくっています。その中には、元の情報が変に切り取られているケースもあります。

そんな時代だからこそ、読み手は信憑性のある文章に安心するのです。そんな文章を書くためには、自分なりに仮説を立て、取材をする必要があります。地道な作業ですが、きっと読み手にそれが伝わります。

さて、執筆力を上げる方法を見ていきましょう。

執筆力を上げる一つ目の方法は、書きまくるというものです。一発で分かりやすい文章を書こうと思う必要はありません。

脳には思考をまとめる性質があります。だから一つのことについて書けば書くほど情報の取捨選択が行われ、文章が洗練されていきます。

上で執筆力を上げるためには書きまくる必要があると話しました。書きまくればいいのですが、やはりコツというものがあります。では見ていきましょう。

●読まれ方を想定する●
一つ目のコツは、読まれ方を想定するというものです。具体的には次の3つを想定しましょう。

(1)
どんな媒体か

例えば報告書なら、簡潔かつ論理的であることが求められるでしょう。一方で、企業が運用するTwitterでは、文章のテイストも重要です。なぜなら、それも人々の企業に対する印象の要因になるからです。

(2)
読み手が何をどれだけ知っているか

読み手の知らないことを書く場合、一から説明しましょう。もちろん読み手の知っていることならササッと書けばいいです。

(3)
読み手が期待するもの

読み手が期待しないものを書いたら、ガッカリされることでしょう。最後まで読んでもらうために、読み手が期待することを書きましょう。

●一文で伝える内容を絞る●
まずはこちらの文章を読んでください。

執筆は様々な場面で活かせるものであり、単に「文章を書く」だけにとどまらず仕事上で役立つものだと言えますが、執筆力を上げるためのコツはプロアマ問わず様々な人たちが発信しているため、何が信用できるか判断しにくく、困っている人も多く、そのような方に向けた、執筆力についてまとめられた本が増えています。

どうでしょう、分かりましたか?何度も読み返したという方もいるでしょう。ではなぜ分かりにくいのでしょうか?

1956年、アメリカの心理学者ジョージ・ミラーが『マジカルナンバー7±2』を発表しました。それによると、人間が一度に処理できる情報量は5〜9個とされています。

だから一文にそれを超える情報を入れると、一発で理解できなくなるのです。

これを解決するには、一文で伝える内容を絞る必要があります。これが二つ目のコツです。ぜひ先の例を、内容ごとに分割してみてください。驚くほど分かりやすくなっているはずです。

●内容に対する文字数を少なくする●
三つ目のコツは文章全体の、内容に対する文字数を少なくしましょう。なぜなら内容に対する文字数が多いと、ごちゃごちゃした印象を与えてしまうからです。文章中に意味の重複がないようにすれば自然と、情報に対する文字数を少なくなります。

●誤字脱字を減らす●
コツの四つ目は、誤字脱字を減らすというものです。

誤字脱字があると、文章は読みにくくなります。なぜなら、それを読む人の脳に必要以上の労力がかかるからです。

文章を読んで理解する。このとき脳で次のことが行われます。まず文字を音声化する。次に言語記憶と照合する。

誤字脱字があると、この過程一つ一つで必要以上の労力がかかります。

例を見ましょう。

9日の懐疑は1階に変更なったようえす。プレゼン資料は所定のフォルダに格納してありあす。ご確認のほどよろしくお願いいたします。

読めなくもないですが、読むペースが落ちたのではないでしょうか?だから誤字脱字を減らしましょう。

●文章を筋道立てる●
コツの五つ目は、文章を筋道立てるというものです。筋道の立て方は文章ごとに存在し、これを使えば必ず読みやすくなるというものはありません。しかし特定のシチュエーションで役に立つものはあります。

今からそれを見ていきましょう。

PREP法というのがあります。これは、文章を「結論」「理由」「具体例」「結論」の順で書く方法です。PREPというのは、各々の英語名の頭文字から来ています。

これは、事柄を論理的かつ詳しく説明する場面に適しています。例えば、セミナーや商談などが挙げられます。

SDS法というのがあります。これは、文章を「要点」「詳細」「要点」の順で書く方法です。SDSというのは、各々の英語名の頭文字から来ています。

これは、情報を報告する場面に適しています。PREP法より要素が少ないため、短時間で何かを伝えたい時に向いています。例えば、ブログや状況報告のプレゼンなどが挙げられます。

定言的三段論法というのがあります。これは、文章を「主題」「前提(大前提)」「証拠(小前提)」「結論」の順で書く方法です。

これは、思考の形式や法則を研究する論理学で用いられる推論の方法です。複数の事実を関連づけて結論を導くため、統計や分析結果などを使って誰かを説得したい時に向いています。

●事実と感想を混在させない●
コツの六つ目は、文章を事実と感想を混在させないように書くというものです。

そこが曖昧な例文を見てみましょう。

今年開催したイベントの参加者は2,000人だけでした。来場された方は終始穏やかな様子で、イベントを楽しんでいました。

参加者数が2,000人なのは事実です。しかし、その修飾語「だけ」は書き手の感想が含まれています。「だけ」かどうかは、イベントに来た人あるいは昨年の数字との比較によって変わります。またその後の文も、書き手の感想が入っています。

事実と感想を混在していると、こんな風に思考を挟んで読むことになります。なので区別して書きましょう。

●執筆に関する本を読む●
コツの七つ目は、執筆に関する本を読むというものです。執筆そのものについての本だったり、もっと抽象的に論理的思考とは何かというものだったり。

インターネットで調ベればこういう本が色々出てきますから、目に留まったものを買って読んでみましょう。ただ、読んで終わりだともったいないです。こういう本は実践してこそ役立ちます。読んだうえで、書きまくりましょう。

上で執筆力を上げるために書きまくろう、と言いました。しかし、仕事だったり家事だったりあるんだよ!という人もいるでしょう。そんな人にうれしい選択肢がある。オンライン講座です。これなら隙間時間で学ベます。あるいは他人に添削してもらう方が伸びる人もいるでしょう。そんな人もオンライン講座を検討してみましょう。

本と同様にインターネットで調ベれば色々出てきますから、目に留まったものを受講しましょう。ただトラブルを避けるため、申し込む前に契約内容を読んでおきましょう。

執筆は人間の知的活動の基礎です。執筆力を上げれば仕事でもプライベートでも役に立ちます。焦ることはありません。出来ることから始めましょう。

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